相続した実家や、誰も住んでいない自宅をそのままにしていませんか。
実は、同じ空き家でも種類によって行政からの評価やリスク、将来の税負担が大きく変わります。
特に城東区で問題視されているのが、利用実態がなく管理も不十分になりがちなその他空き家です。
放置を続けると老朽化や倒壊リスクだけでなく、特定空家等に認定され固定資産税などの税金ペナルティにつながるおそれもあります。
本記事では、総務省の住宅・土地統計調査に基づく空き家の種類をわかりやすく整理し、城東区の特徴やご自宅がどの種類に当てはまるのかを簡単にセルフチェックできるよう解説します。
あわせて、その他空き家を放置しないための具体的な対策や相談のタイミングも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
城東区に多い空き家の種類と全体像
まず、総務省統計局の「住宅・土地統計調査」では、空き家を大きく4つの種類に区分しています。
「賃貸用の住宅」は、人に貸すことを目的として空いている住宅です。
「売却用の住宅」は、売却のために市場に出しているものの、まだ売れていない住宅です。
「二次的住宅」は、ふだんは別の場所で生活し、休日や長期休暇に利用する別荘やセカンドハウスなどを指します。
これら3つ以外の空き家が、「その他の住宅」に分類されます。
例えば、長期間人が住んでいない相続住宅や、将来の利用予定がはっきりしないまま放置されている住宅などが含まれます。
最新の令和5年住宅・土地統計調査の速報では、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」が全国で385万戸とされています。
このように、「その他の住宅」は統計上もしっかり区分され、実態の把握が進められているのが特徴です。
次に、城東区の空き家状況を、大阪市全体や全国と比べてみます。
平成30年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家率は13.6%で、大阪市全体は17.1%と全国平均よりも高い水準でした。
一方で、同じ時点の城東区の空き家率は12.7%で、全国平均よりやや低く、大阪市平均と比べると低い水準となっています。
平成25年から平成30年の5年間でみると、城東区の空き家率は13.1%から12.7%へと0.4ポイント低下しており、空き家戸数もわずかに減少していることが分かります。
こうした中で、「その他の住宅」がどの程度を占めるのかが重要です。
全国の平成30年住宅・土地統計調査では、空き家849万戸のうち、「売却・賃貸用」が462万戸、「二次的住宅」が38万戸、「その他の住宅」が349万戸となっています。
割合に換算すると、「その他の住宅」は全空き家の約41%を占めており、「賃貸用の住宅」に次ぐ大きな区分です。
城東区でも、空家等対策アクションプランでは、統計の基礎資料として同調査を用いており、「その他の住宅」に該当する空き家への対策が重要な課題と位置付けられています。
| 空き家の種類 | 主な内容 | 全国での割合目安 |
|---|---|---|
| 賃貸用の住宅 | 入居者募集中の空き家 | 空き家全体の約5割 |
| 売却用の住宅 | 売却のため市場にある空き家 | 空き家全体の約1割弱 |
| 二次的住宅 | 別荘・セカンドハウス等 | 空き家全体の数%程度 |
| その他の住宅 | 放置・将来未定の空き家 | 空き家全体の約4割 |
我が家はどの種類?空き家区分を簡単にセルフチェックする方法
自宅がどの空き家区分に当てはまるかを判断するには、まず現在の利用状況を整理することが大切です。
人に貸して家賃を受け取っている場合は「賃貸用の住宅」、売却のために不動産会社などを通じて売り出している場合は「売却用の住宅」という区分になります。
別荘のように一定の期間だけ利用している場合は「二次的住宅」に当たります。
これらに当てはまらず、日常的な利用がなく人が住んでいない状態は、総務省の統計では「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」として整理されています。
次に、住民票の有無やライフラインの使用状況を確認すると、空き家としての実態が見えやすくなります。
住民票が他の住所に移され、電気・水道・ガスの使用量が長期にわたりごく少ない場合、実際には住んでいない可能性が高いと判断できます。
さらに、郵便物が大量にたまっていたり、新聞や宅配便の不在票が繰り返し投函されている場合も、長期間不在のサインになります。
こうした状態が続いている住宅は、形式上居住用として登録されていても、実態としては空き家に近い状態とみなされやすくなります。
特に注意が必要なのは、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」に該当しやすいケースです。
代表的な例として、相続したものの活用や処分を決められず、そのまま長期間放置している住宅が挙げられます。
また、所有者が長期入院や施設入所となり、一時的なつもりで空けているうちに、そのまま誰も戻らず空き家化するケースも少なくありません。
総務省の統計でも、この区分の空き家が近年増加傾向にあり、管理不全による問題が生じやすいとされていますので、少しでも心当たりがあれば早めに現状を点検することが重要です。
| チェック項目 | 確認のポイント | 想定される区分 |
|---|---|---|
| 利用状況 | 賃貸中・売出中・別荘利用 | 賃貸用・売却用・二次的住宅 |
| 生活実態 | 住民票の有無と光熱使用 | 居住中か実質空き家か |
| 放置の経緯 | 相続後放置・長期不在 | その他の空き家になりやすい |
城東区で放置が危険な「その他空き家」と行政リスク
大阪市の空家等対策計画では、賃貸や売却を目的としない「その他空き家」は、老朽化や管理不全に陥りやすい重点監視対象と位置づけられています。
城東区、特に諏訪や東中浜、放出周辺には、戦前・戦後から続く古い木造長屋や、車が入ることのできない狭い路地(2項道路や私道)が今も多く残されています。こうしたエリアで「その他空き家」を放置すると、屋根や外壁が崩落して通路を塞いだり、台風で瓦が隣家に直撃したりするリスクが極めて高くなります。また、令和8年現在は空家法の改正が本格化しており、かつての「倒壊寸前のゴミ屋敷(特定空家等)」だけでなく、「窓ガラスが割れている」「庭木が隣家まで伸び放題」といった一段階手前の状態であっても「管理不全空家等」に指定されるため、城東区の住宅密集地にある空き家は、これまで以上に行政から厳しくマークされやすくなっています。
外壁や屋根材の落下、雑草や樹木の繁茂、害虫・害獣の発生なども、「その他空き家」で起こりやすい典型的なトラブルです。
このように、単に空いているだけでなく、地域の安全や衛生を損なうおそれが高い点が大きな問題になります。
空家等対策の特別措置法では、著しく管理が行き届いていない空き家は「特定空家等」に分類され、段階的に行政による関与が強まります。
まず、自治体が現地調査を行い、状況に応じて所有者へ助言や指導を行いますが、改善が見られない場合は勧告へと進みます。
勧告を受けても危険な状態が解消されなければ、命令や、最終的には行政代執行により解体などが行われ、その費用が所有者へ請求される可能性があります。
放置された「その他空き家」は近隣住民からの苦情や通報の対象になりやすく、近隣トラブルや損害賠償問題に発展するおそれも高まります。
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」に基づく城東区空家等対策アクションプラン第3版によると、城東区の空き家は約12,350戸あり、そのうち約2,190戸が「腐朽・破損のある空き家」と推計されています。
割合にすると、区内の空き家全体のうちおよそ2割弱が、老朽化や破損が進んだ高リスクな状態にあることになります。
この中には、相続後に放置された住宅や、入院・施設入所で長期間無人となった「その他空き家」が少なからず含まれていると考えられます。
数字で見ても、「使っていないからそのままでよい」と放置することが、地域全体の安全性を損なう重大な要因となっていることが分かります。
| 区分 | 想定されるリスク | 行政からの主な対応 |
|---|---|---|
| その他空き家 | 老朽化進行・防犯悪化 | 所有者への助言・指導 |
| 管理不全空家 | 落下物・害虫など危険 | 指導・勧告と改善要請 |
| 特定空家等 | 倒壊等で重大被害懸念 | 命令・行政代執行等 |
「その他空き家」で損をしないための税金ペナルティ対策
まず、「その他空き家」を含む住宅には、固定資産税と都市計画税がかかることを整理しておく必要があります。
固定資産税は土地や建物の評価額に基づいて毎年課税され、都市計画税は都市計画事業などに充てる目的で市町村が課税するものです。
このうち住宅が建っている土地については、「住宅用地の特例」により課税標準額が大きく軽減されているのが一般的です。
つまり、同じ面積の土地でも住宅用地とそれ以外の土地では、固定資産税と都市計画税の負担が大きく異なる仕組みになっているのです。
次に注意したいのが、「特定空家等」に該当すると住宅用地の特例が外れる可能性がある点です。
建物が著しく老朽化し、安全性や衛生、防犯面で周囲に悪影響を及ぼす状態と判断されると、自治体から特定空家等として認定されることがあります。
この場合、土地について住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税の課税標準が本来の水準まで引き上げられることがあります。
これまで多くの所有者が「建物を解体すると固定資産税が高くなるから、ボロ家でもそのまま残しておこう」と考えていました。しかし、令和8年現在の法改正により、前述の「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定され、行政からの改善勧告を受けてしまうと、建物が建ったままであっても土地の固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が強制的に解除され、税金が実質最大6倍に跳ね上がることになります。城東区は利便性が高く土地の評価額(路線価)が比較的高いため、特例が外れた場合の増税額は年間で十数万〜数十万円規模になることも珍しくありません。「まだ大丈夫」という根拠のない先延ばしは、文字通りダイレクトに家計へのペナルティとなって返ってくるのです。
こうした税金面の不利益や、行政からの指導や勧告といったリスクを避けるためには、「その他空き家」を放置しないことが重要です。
建物の状態を定期的に確認し、必要な修繕や清掃、庭木の手入れなどを行うことで、周囲への悪影響を防ぎやすくなります。
また、賃貸や売却、解体などを含めて、早めに活用や処分の方針を検討しておくことも有効です。
判断に迷う場合には、一人で抱え込まず、早い段階で専門家や相談窓口に状況を伝え、適切な対応策を一緒に検討してもらうことをおすすめします。
| 項目 | 放置した場合 | 早期対応した場合 |
|---|---|---|
| 固定資産税等負担 | 特例外れ増税リスク | 軽減措置の維持 |
| 建物の安全性 | 老朽化進行・倒壊懸念 | 修繕で安全性確保 |
| 行政・近隣との関係 | 指導勧告・苦情増加 | 良好な近隣環境維持 |
まとめ
城東区における空き家問題は、単なる「古い家をどうするか」という問題ではなく、放置すればするほど大増税や近隣からの損害賠償請求という大きなリスクを背負い続ける「負債の保有」に他なりません。あなたの空き家が「その他空き家」や「管理不全空家」に指定されてしまう前に、プロの手を借りて正しい出口戦略を描くことが最善の防衛策です。
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